木 葉 鰈 

 

 釣りの情報は見て・聞いて・触って・数えて盗む

《見習いコックがコック長の味を皿に付いた残り物を味見して盗むように》

 

 テンヤのスミイカ釣り初日、午前中私はいくらシャックってもイカが乗らない。午後になって他の人と何処が違うのか、試しに隣の名人のシャクりを見ながら同じリズムで、同じ巾でシャックってみた。そしたらついにイカが乗った。前と何処が違うか検証した。待ちのインターバルが長すぎた力が入り過ぎ、船下でのシャクリが大き過ぎた。見ながら真似て大成功その後も続けて乗り納竿までに4杯をゲットで上出来。

 イサキ釣りで隣の若者が非常に上手く次々とイサキを釣り上げている。色々と聞いて教わりながら釣りをする。船長の指示棚を守る事。コマセはドバッと撒かない。隣の若者のコマセの撒き方を見ながらパラパラと撒くそのせいか私にもボチボチとはイサキが釣れている。その内全体が釣れなくなったが、隣の若者は釣れている。餌も沖アミからイカタンに戻している。さあ何処が違う?彼がトイレか席を外した。今度は指先でチェック、左手は彼のハリス、右手は私のハリス。触る左指1.5号<右指2号なるほど、船宿仕掛けから自作の1.75号仕掛けに替えて挑戦、私にもイサキが来ました。

 イイダコ釣り。当時シーズン初期のタコ釣りでは富津港から始まり良く『川崎丸』に御邪魔していたが、秋に会社の同僚数人とイイダコ釣りに同船で釣行、若船長は中々さわやかで、道具立てはキス竿にスピニングリールで小さなテンヤにラッキョウを付け。釣り方はタコの様に小突くのかなと思い釣りをするも良く解らずで36匹の釣果。ただ右舷胴の間にいた私の目に止ったのが右舷トモの名人。左右に手バネ竿を持ちアルペンスキーヤーがストックを交互に出して進むような感じで短竿を交互に動かし、船下から前へ引きずっている様子。竿先が重かったら合せ糸を手繰って、イイダコをキャッチ、イイダコは魚籠へテンヤは海へ入れ。また引きずるように誘っている。見ていると入れ食いも有り忙しそう。名人が席を立ったので近づき柔らかい竿先の調子や道糸の太さ等を手に触れて観察。帰ってから釣り具の量販店で無垢のグラス竿1.2mと硬質のガイド(トップガイドはグラスの先に合わせて)、リールシート等を2組ずつ購入、竿を握る所はボール紙をきつく巻き付けて固定その上からタコ糸を綺麗に巻く、ちょうどヘラ竿の握りの様な感じにする。最後は尻手糸を止める金具も付ける。ガイドも竿先の方に多くなる様に付け、ベイトリールがセットされる様に作り最後にニスを塗り、2本仕上げるがキス竿よりも原価が高くなり驚く。仕上がった短竿2本を持って意気揚々と川崎丸へ試し釣り、釣席も右舷トモで前回の名人と同様のしぐさで釣り始める。引きずる釣りに慣れるとともに竿先に乗りを感じ、好調に釣れ始め、絶好調の入れ食いで忙しすぎる。納竿間際で束()釣り達成。最後に中乗りさんが船長を呼び私の柔らかい竿先を触りながら『この感じがいいんだよね』と竿を褒めた。私は笑いが止まらず最高の気分だった。次回はイイダコが少し大きくなり、数は落ちたが80匹台で竿頭でした。上手く行き過ぎです。

 夜の紫イカ釣りで鹿島港清栄丸での話。イカが釣れると釣れるタナを船長が教えてくれる。理想は釣れるタナが段々と上の方へ上ってくれれば手返し良く、数が釣れる。イカが釣れないとある程度の深さから上の方へと探って行き釣れるタナを探しながら釣り、周りに教え合う。トモ寄り2人の仲間が仲良くタナを見つけ合いながら釣っている。私も含めて他の釣り人は今いちの状態。2人は好調で水深を聞くと『しょっちゅうタナは変るが今は船長の指示棚30m前後』私も35mから25mを探って来ない。40mまで落としても来ない。もっと深いのでは?彼のクラッチをフリーからクラッチを戻すまでこっそりとカウントを数えた。スプールの大きさや回転速度も違うが、同じ数を自分のリールで試してみた。その時のmは何55mで誘ってズンズン乗った。電動リールが唸りを上げて3杯掛け、また落とすと58mで道糸が止まる。また3杯入れ乗り。それを見て船長がなんメートルと聞いて来た。手の平を2回示して55mを知らせる。船長からマイクで『今イカが乗ったのはちょっと深くて55m55mです。ちょっとやって見てください』その時2人は顔を見合わせていた。ドンピシャだった見たいだ。 

 

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