32.危ない魚・ヒレに毒のある魚3点+α

各時代の話

 

少年の頃、父と三浦半島城ケ島へ夜釣りに、父が『釣れますか』とバケツの中を覗くと釣り人が『こんなのが釣れました。何と言う魚ですか』と手の平に乗せて得意そうに見せます。父は慌てて『もどして、毒があるから素手で触っちゃあだめ』その魚の名は『ゴンズイ』で鯰や泥鰌のように髭があり縞模様があり一目で覚えた。その後は何度も釣りました。夜コマセを撒きながら小メジナを狙っていると群れになって浮き上がって来ます。通称ゴンズイ玉、釣ったら大きめのメゴチバサミとペンチで鉤を外し海へ帰ってもらいます。味噌汁に入れたら美味しいみたい?

 

ハオコゼは一見カサゴの子供かな、よく見ると顔が違うし背ビレも違う絶対に忘れられない。20代の頃の夏、竹馬の友と早川港の港内でコマセを撒き延竿にウキをつけての小物釣り、海タナゴ、シマダイ、カゴカキダイ、箱フグと遊んでいる。竿を上げたら魚がハオコゼと判ったがもう遅い此方へ向かってくる。サンダル履きの踝内側へチクリ、チクーンと痛みがはしる。蜂に刺された時と同じくらい痛い。痛みがやわらぎ釣り続けるとまたハオコゼがこっちに向かって来る。竿を持ったままさっと避けたがズボンの上から接触、チクッ。その後も釣れる度に右往左往3度目のチクッ。もうトラウマあの面と痛みは忘れない。よく考えてみたら竿を立てたら自分に向かって来るのにね。竿をほん投げちゃたら良かったかも。その後の釣行では何度も釣る機会が有りましたが『エヘン』一度も刺されていません。

 

30代の頃会社の慰安旅行で夜は宴会、翌日は、ゴルフ組、魚釣り組、自由行動組に別れる。魚釣り組は伊豆、稲取港、安貞丸10名弱で4時間の仕立て、釣りものはアマダイ五目、船代は領収書をそろえて会社持ち、皆ズブの素人で私が幹事、船長と一緒に釣り指導、釣り具一式:竿、タイコリール、天秤オモリ、ハリス1.5mの2本鉤に沖アミを付け底釣り、釣れて来る魚種は通称オジさんやトラギスが多く、キダイ、アマダイ、それに鬼カサゴ等が程々に釣れた。鬼カサゴはヒレに毒があり触らないように注意を促し、私が鉤を外し背ビレや胸ビレ、尾ビレ等ハサミで切る。釣れた魚は生簀へ。陸へ上がって魚の仕分け、まず魚がいらない人を外し、残りの人数で私が魚を平等に分け、皆に取らせた。人気はキダイ、アマダイ、さて鬼カサゴはヒレに毒があり刺されたら激痛を強調しすぎたのか誰も持っていかない。『じゃあ しょうがない俺が貰って行くよ。美味しい魚なんだけど』と迷惑そうに、船長が私の顔を見て笑っている。これだけみんなの面倒を見たので御褒美に3匹頂戴しました。読者の皆さんその後を期待していませんか。トゲに刺されて痛い思いをしたのではないかと。残念ながら頬の部分にも気をつけて処理。ちょうど妻と息子が留守で、食いしん坊の長女と美味しく頂きました。

 

最近(2011年)夏、釣りをしているとカツオのエボシ(茶色いクラゲの仲間)が糸に絡みつきそれを外していると手の傷口等に触るとピリピリしみながら痛い。今回、鶴見潮見橋・新明丸からタコ釣りでタコ釣りの渋糸やヨリモドシに付いているカツオのエボシを取り除いていたら海の水がザブー(おそらくカツオのエボシがついた水滴が右目に入ったのだと思う)右目全体がしみて痛くて目を開けられない。カバンの中の目薬を探したが無い。船長にも聞くが持っていない。常連のFさんが『どうしたの、右目が真赤だよ』事情を話すと『目薬よりも水でゆすいだ方がいいよ』と言ってミネラルウォーターを出して注いでくれた。まず手を洗い、目を濯ぎ、水に浸したタオルで目の周りをふくと徐々に目の痛みが消えた。Fさんに感謝!

 

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