30.那珂湊・つれたか丸

2006年~2014年

 

以前トキオの『鉄腕ダッシュ』で長瀬さんが船長で浜にある古船を船大工と一緒に修理し大海原へ最後は大間で鮪を釣る番組があった。ユニークな船名で『つれたか丸』茨城に同名の船宿があると聞き丁度私の好きな真子鰈釣りだったので乗船、釣果もそこそこにあり満足、伊藤義勇船長の第一印象は怖そう話して観ると独特の茨城弁で実に気さくで面倒見が良い。そんな訳で通い続ける事になる。冬にかけてはこれも私の好きな真ダコ釣り。東京湾と違ってタコテンヤの錘は130号と重く餌も石ガニではなくサンマをつける。これに乗る真タコは型が良い。それに魚影も濃く数が出る。仕掛けの上につけるヒラヒラも赤や白の布切等ではなくクリスマスではないがあの目立つキラキラの飾りを大きくつけると真タコがその魅力につられて良く乗る。私は操縦席も近いトモの席によく座り魚短も見え船長とジョークを飛ばしながらの楽しい釣り。そんなある時タコ釣りが初めての釣り人が私の隣にと言っても胴の間に座り私を始め他の釣り人が皆釣っているのに釣れていない。タコらしい気配で乗ったかなぁでもバラシで疑心暗鬼になっているようだ。船長も遠くから来てくれた釣り客なので気が気でない。飾りをチェックしてみたり、先糸を替えて見たりで何とか釣って貰おうと一生懸命。その時、私も昔の自分を思い出し《もしかして》と確認、私が『船長これじゃあ1日やっても釣れないよ』と言うと船長は怒った感じで『なんで』船長と一緒にテンヤを確認、船長がいつもテンヤを渡す時に『ハリ先の安全サックは釣る前に外して下さいね。』と言っているそのサックが付けたまま。これでは釣れない。その後の釣り人は続けて真ダコを上げ船長は玉網でアシストしながらほっとしていた。常磐の海は真子鰈にしろ真ダコにしろ魚影が濃いし船長の得意とする魚種でもある。最近船が5tから15tと大きくなり広い船室も有りお客さんの為にもと船長は喜んでいるが私は船長室と言う仕切が出来て目と鼻の先で話が出来なくなり少し残念。釣り物はその時々の釣れる魚、例えばヤリイカが釣れるとヤリイカ専門もしくは真子鰈とのリレー釣りとか臨機応変にお客さんの要望に答えて行っているようだ。今後も好きな真子鰈や真ダコの数釣りに期待して今後も通うつもりです。 

 

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