28.釣り行脚、内房の港、夜釣りで肩にズシッ

2003年頃の話

 

毎年暑くなると内房方面に車中1泊の釣り行脚に出かけている。前にある港の日中釣りで小メジナや海タナゴで好釣果を上げた事があり、ここで夜半に狙えば型も良くなるのではと期待して釣行。右側の堤防はコの字の先端まで続き外側はテトラなので入り口から内側の辺地を狙い。渓流竿に電気ウキ仕掛けで流す。アミコマセを撒きながら付け餌(ジャリメ、アミエビ)をつけて釣り始める。燈台の薄明りで沖をながめると静かでのっぺりした感じで波の音すらしない。真っ白い船同士がこすれて『ギィギィ』と音がするだけ。その後しばらく釣り続けるも餌取りすらなく。人影もなければ船のこすれてきしむ音しかしない。薄気味悪い。しゃがんで餌を付けていると足元から背中の方にかけて『ゾクゾクッ』何かが走ったがそのまま電気ウキの周りにコマセをまきながら釣り続けた。気のせいか、何となく体が重い。岸に近ずけない。近寄ったら海に落ちそうな感じで急に恐怖を感じ、そそくさと片付け始める。コマセも海に開けられない。近辺の水洗い掃除も無しで帰り支度で歩き始めると肩が少し軽くなるも、車に戻り急いで国道を走り出す。一度そんな気持ちになるともういけない。今度は後部座席に誰かがいるような気もする。どこをどう走っているのか解らないまま途中左側の寂しい道に入り走り続けた。まもなく肩がすーと軽くなり、首も楽になった。富津方面の埠頭に着き休憩(朝までぐっすり寝た)。後日サーフィンをやる会社の同僚に話をしたら、きっと霊が取り付いたんですよ。無事でなにより、我々でもお盆はひかえています。・・・後で地図を見ると近くにはお寺もありました。それ以後は気をつけています。と書きたい処だがお盆休みはつい釣行してしまいがちです。

 

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