22.江の浦堤防、Oさんとよた波・木更津沖堤

1982年頃の話

 

Kメディカル時代の得意先のOさんとは意気がぴったり特に釣りの事になるとツーと言えばカーで釣行前日(土)の晩にOさん宅におじゃま、1泊して早朝、Oさん家の軽トラックでホームグランドの江の浦堤防へ到着、風がややあり堤防のコの字型堤防先端やや水しぶきが上がっている。私は仕度をし『さあ行こうか』彼は『ちょっと待って、もう少し様子を』と堤防先端を見つめている。私は何も疑問を持たず、だが彼の眼には引っかかるものがある。理由を聞くと『この波だと10分に1回くらいよた波が来るんだよ』しばらくして『ほらほら』先端を見ると波がザブッと堤防の上をかぶった。クーラー等の道具は流されていただろう。前回夕まずめに燈台の陰に隠れながら波をよけ尺級のメジナが入れ食いだったと嬉しそうに笑顔で話す、さあ今日はどうかなあ、釣り始めるもウンともスンとも言わず、時間だけが過ぎて行き移動、真鶴港での釣りとなりメバルと海タナゴをそこそこに釣り納竿となる。『よた波』一つ勉強になった。そう言えば以前にも木更津の沖堤防でも同じような事があった。Hさんと夕まずめ狙いで午後から渡船、夕方になって何艘かの小型船外機ボートが猛スピードで帰えって来た。海は波静かだが私は異常を感じ竿をたたむ。釣友のHさんにも促す。彼も渋々竿を仕舞う。やがて急に海がざわつき出し突風が吹き出し海は荒れ出した。遠くの方から渡船の船たちが近ずいて来て沖上がりの知らせ私たちの栄宝丸は沖側の堤防から順次釣り客を乗せている。大きな堤防上の一部に波がかぶる。隣の釣り人のクーラーが海へ、堤防に打ちつける波の力か上からカラス貝が降って来る。何とか間に合って無事帰港出来た。急な天候の変化をいち早く漁師さんの船が教えてくれた。我々は救命浮き輪の置いてある場所に釣り具1式を置き船が来る前に準備を終えていた。他の釣り人は船が来て異変に気が付き乗船が遅れた。皆さん風と波には十分に気をつけましょう。 

 

前の随筆 /次の随筆 /随筆トップ