20.意外な餌で残りマスをゲット

1982年頃の話

 

山梨県笛吹川の上流部に川から水を引き、2つ並んだ池があるマス釣り場に良く出かけた。上の池から下の池に水が流れているがその他に斜め上にある太いパイプからも勢いよく水が流れている。何時も半日釣りを選び釣った分持ち帰る事が出来きる。餌はイクラかブドウ虫で、私はブドウ虫を選択、小魚の活き餌は禁止と記憶している。魚の放流は釣り人が来た時や昼頃に太いパイプから放流され、その時が一番のチャンス太いハリスで効率よく釣り上げる。その後の残りマスを如何に釣り上げるかが腕の見せ所である。渓流竿に玉ウキ1つのシンプルな仕掛けで偏光メガネで観るとマスが流れの上流部に向いていて何時でも餌が流れてきたら捕食出来る姿勢でいる。私は竿先を震わせて玉ウキがコチョコチョと上流部へ上がって行く、もとへ流して行くの繰り返しの誘いで釣っているが今回苦戦を強いられている。がただ一人太いパイプの左横でよく釣っている人がいた。私は向いの右横で釣り人の様子をみて見ると魚釣りはしているが、時どき竿を置き席を外す。私に背を向けしゃがんで餌をつけている。見て成程と納得、私も餌捕りで同様に席を外す。岩魚や山女、虹鱒もフィッシュイーターで、岩魚等は蛇をも食べると聞く。餌をつけようとしたら『羽根は半分くらい切った方がいい、鉤は背中からお腹へ抜き竿を操作して餌を潜らした方が魚信ますよ』と親切に教えてくれた。その様に操作するとウキが綺麗に潜り合わせて釣れた。餌の赤トンボ捕りでかわりばんこに席を外す。ゆっくりとしたペースの入れ食い、気のせいか掛かるマスも大きい。30匹ほど釣れたので早めの納竿。洗い場、包丁でお腹を割き内臓とエラ、血あいを取り除き塩を引いてビニール袋に入れ持ち帰りました。禁止している釣り場は別として皆さんも試してみてはいかがでしょうか、今回の赤とんぼはキラキラした大きな目がマスに有効だったのかなと思いますが。バッタやコウロギ等で試して見るのも面白そうですね。

 

前の随筆 /次の随筆 /随筆トップ