19.出張帰り、ついでに師崎港出船でkさんと魚釣り

1982年頃の話

 

N課長と㈱K薬の子会社Kメディカルで医療器械の販売、ライトバンにデモ機を積んで三重県のディーラーに商品説明と同行で医療施設を廻る3泊4日の出張の最終日で仕事も終り親会社の㈱K薬名古屋支店へ挨拶。MR(医薬情報担当者)のkさんと話していると釣りをするとの事。話が弾んで明日休みなので釣りに行こうと話が決まり、上司のN課長にお願いと相談をすると『いいよ、オレは京都見物に行って来るから、明日の午後1時に此処に帰ってくれば』でOKkさんとは初めて会って意気投合、支店の2階に泊って明朝、師崎から船でメバル釣り、まさかこんな展開になるとは思いもよらず心が弾んで夜遅くまで釣り談義、翌朝真っ暗なうちからkさんの車で師崎港へ着いて早速船長に挨拶、(私達だけみたい)船長は私の姿を見てこんな人は初めてだと言って笑っている。ネクタイにスーツ姿、コート羽織って革靴を履いて船に乗り込む。仕掛けは藻海老をつけた胴つき3本鉤仕掛けで釣り開始、まもなく魚信で良型メバルをゲット、肩を並べて釣っているkさんにも来て好調な出だしだが、海は風が有り兎に角寒い、ワイシャツの下に新聞紙を巻いていてこれは良し、足元と特に首が寒く、鼻水が出て震えが止まらない。船長がみかねて、自分が使っている首から頭まですっぽりかぶれる腹巻の様な布を貸してくれとても温かい。船長の好意に感謝、その内に日も昇り温かくなり順調にメバルやカサゴが釣れ無事に納竿。車も順調に名古屋支店へ。上司のN課長と合流、kさんに礼を言い別れる。後部座席の下にはメバルやカサゴが入ったビニール袋が置いてある。東名高速をひたすら走って無事帰宅、妻が『それなーに、三重まで何しに行ったの』『だから仕事をして序でに魚釣り』と言いたいが『無言』妻が着ているコートのシミを見て『こんなに汚して・・・』『海で潮をかぶって』とも言わず『はいごもっとも』と忍の一字。夕食はメバルの煮付けで家族そろって美味い美味いと食べた。その後、私は出向が解かれ、Kメディカルから親会社の㈱K薬東京支店に戻り製薬メーカーのMR(医薬情報担当者)として仕事に励んだ。kさんは福岡支店に異動になり鹿児島県を担当し風の便りでは錦江湾で大鯛と格闘したりして頑張っているとの事。その後一度もお会いする事もなく。私にとって楽しい一期一会でした。

この随筆を書きながら一回しか会っていないので、それと年月が立ち過ぎていてどうしても名前が出てきません。と思っていたら『ポン』と出てきました。多分合っていると思いますが、あの後醍醐天皇に忠誠を尽した私の好きな知将『k正成』と同じ名前だったかな。?

 

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