12.福岡の溜池で真鮒釣り『パサッ』

1975年~1976年の話
【㈱ZT福岡支店編】

 

鶏肉問屋に勤めていて郡山(営)から福岡支店へ転勤、妻と南区皿山のアパートへ引越、買い物は近くに大型スーパーが有りその隣に大きな池があった。休日になるとヘラブナ仕掛けに練り餌で小鮒(真鮒)が半日で1束も釣れる。こちらでは日の出、日の入りが遅く、平日も会社の帰りに1時間ほど釣りをして帰る事もあった。東京ではこんなに沢山釣れる事はなく、毎回あきずに釣りをしていると、話しかけて来る人がいてヘラの釣り師で色んな釣場を知っており、近くの高台でも釣れる溜池が有る。ここより綺麗との事。で行ってみると小さな池は石垣で囲まれ水草が有り水も澄んでいて環境が素晴らしい。魚信も確りしたツンで鮒の手応えも良い。ある時水かさが減り石垣の下へ降りての釣りとなる。いつもの様に釣りをしていると石垣の上から草原に『パサッ』と何かが落ちた気がした。何気なく後ろを振り向くと10cmほど鎌首を持ちあげた70cmほどの小さなヘビが側にいてこっちを見ている。『ヒァ-』とのけぞり玉網で追い払った。ヘビ君はスイスイと水面を泳いで消えた。その後は僅かな音にも反応し小心者のせいか釣りにならず納竿。台風が接近した時も妻の『危ない』の忠告も聞かず、まだ大丈夫と出かけた。風は四方八方に舞っている。水草の側に手がえし良く練り餌をふり込み、『ツン』の魚信で合わせ良く引く30cm真鮒、次も30cmと2枚の尺ブナを釣り意気揚々と帰宅、『台風が近ずいたこんな日に』と心配顔の妻を見て、釣りも程々にしないといけないなと深く反省。

   

1975年頃
【㈱ZT福岡支店編】

 

スーパー隣の池で珍魚?が

 

いつもの様に真鮒を釣っていてウキがすっと入り合わせたら重い、『あっ、ゴミか』ゆっくりと上がって来る。『ゴミだ、ゴミの先が動いている』釣り上げて良く見ると足が4本おまけに背中に甲羅を背負っている。『はいそうです20cmほどの亀』でした。優しく放流・・・笑い

 

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