木 葉 鰈 信
船宿や船釣りについての『私の中での決め事』
随分と偉そうな題目になってしまい、偉そうな事を書きそうな自分が心配です
がここは勢いで書きます。
◎ まず、この船宿と決めて通い始めたら、近くの船宿には行かない。
一生懸命面倒を見たつもりの釣り人が向かいの船に乗っているのを見つ
けた時の船長はやるせない気持ちになるから。
◎ 初めての船宿で船長もしくは関係者が失礼な、もしくは理不尽な事をした
時(自分ではなく他人の事でも同様)その船宿には行かない。
◎ 私の尺度ですが良い船宿は船長が客の一人ひとりを良く見守っている。そ
して悪い事をした時はそれが常連客でもきぜんとした態度で叱ったり、注
意する。
◎ 良い船宿には良い常連が付き、我がままで横柄な、感じの悪い常連がいる
所は船宿も良くない。良い常連とは、勝手知ったる我が船宿、初めての釣
り人とか困っている人には親切に教えるが通常はあまり出しゃばらない。
親しみやすく、次もこの船宿に来ようと言う気にさせてくれる。
《感じ悪い常連客の例》
釣友KGさんと外房へヤリイカ釣り、初めての船宿。我々は左舷トモから
2番目、3番目に入る。次はミヨシとなる間隔。トモの常連は私との間に
長竿を出し竿掛けに掛けたまま、狙いは鬼カサゴで錘トントンたまに長く
糸がふける。そして真後でヤリイカを釣っている。私達はヤリイカ一本で
シャクリを繰り返す。常連はその内その長竿を巻き上げ我々とオマツリ、
マツリを外しながら『あんたら糸をふかせるなよ。しょうがないなあ』我
々はそれを聞いて顔を見合わせ、言葉も出ない。船長は見て見ぬふり、知
らん顔、そうです。その船には2度と乗らない。
◎ 釣り人どうしのオマツリはお互い様。お互いに気持ち良く『あっ、すいま
せん』お互いにここで責任を擦り付け合っても一日気分が乗らなくなるだけ。
何度もオマツリをし、その原因の中に道糸が太すぎる場合は船長に一言伝え
る。対処は船長まかせ。全くの素人の場合は難しい。強く指摘すると委縮
してしまう。それと自分が皆に迷惑をかけていると言う意識がない(自分が
悪いと思っていない)。
《素人のオマツリで上手くいった例》
昔の船を流しての鰈釣りで私の隣に素人の若者3人組が座り餌の青イソメは
長すぎる、道糸は斜めに行っている、竿を上げるとオマツリ、その時は何
も言わず私はひたすら釣りまくった。彼ら3人はそれを見ている。当然彼ら
はまだ0(ゼロ)で『ちょっと釣り方をレクチャーしようか』一番手前の若
者中心に餌の付け方、竿入れ糸ふけを出さない『他の人の糸より斜めになっ
たら糸の出し過ぎだよ。さっきの様にオマツリしてしまうよ』誘い方、魚
信の出方と対応の仕方などを教える。まもなく手前の若者が鰈を釣り、飲
み込まれたハリを外してやり、また釣る。手前の彼氏が他の2人に教えてい
る。私もそこで少し補足する。それからは3人ともぽつぽつと釣れるように
なり釣り人の顔になっている。またオマツリも解消。最後にお礼を言われ、
私も気分良く『またおいで』と答えた。素人には優しくしよう。そんな訳
で釣り人の輪が自然に広がって行き、質の良い釣り人が常連になり良い船
宿になって行くと思います。
◎ 船宿が絶対やってはいけない事。それは釣り人(常連)に代って釣席を取る
事。釣席を決める一番多いのが早く行ってクーラーを置く事。これを船宿
が代行してはいけない。他の釣り人にわかれば『汚いなあ』と言って行か
なくなる。
◎ 私にとっては船の設備は二の次(良ければこれにこした事はないが)
船長が口うるさかったりしてもそれは熱心の裏返しであり、人間の温か
みのある船宿が私は好きである。不思議と釣り人もそこへ集まって来る
ものだと思います。