随筆 その前に
2016年5月吉日
連休明けのびん沼川(新河岸川放水路)で野良猫騒動?
5月の連休明けの曇り空、三本木橋トイレ下の傾斜した護岸で釣り台に跨り
12尺(3.6m)の竿でヘラブナ釣り。今日も好調にヘラブナが釣れている。
小鮒やクチボソは手に取り鉤を外しリリースしていた。10cmほどの小鮒
がかかり竿を立て魚は空をきりながら此方に向かって来る。受け取ろうとし
た手元でパッと消えた。後は指に絡まった鉤がチクッ。何事が起こったのか
一瞬、頭が止まる。周りを見渡すと傾斜を上った後方右側へ魚を加えた猫が
しっぽを振りながらゆっくりと離れて行く。そして10mほど先で美味しそ
うにムシャムシャと食べ始めた。今起こった状況を再現すると私が魚をかけ
魚が手元に向かって来る。その姿を見ながら猫は傾斜を駆け下り釣り台に片
足を乗せ私の左肩に手をかけ私の左脇の下から魚を掠め取ったのである。そ
の時の状況は私の左肩に重さを感じその後爪を剥がす感触が残っていた。猫
はしてやったりとした態度で悠々と魚を加え立ち去ったのである。その後も
顔を見ると悪びれず私の荷物近くで間合いを取り次の獲物を待っている様子
。猫を追っかける振りをすると少しは逃げるがまた立ち止まる。腹を立てた
私は今度は真剣に追っかけたがさすがに逃げ足は早い。その後も釣った小魚
をリリースしているとやはり目が狙っている。だいぶ時間が過ぎて休憩タイ
ム、荷物のある草原 クーラーに座りポットの麦茶を飲んでいると猫が3m
ほどの至近距離にいる。釣り台から12尺竿を持ち元の位置に座る。猫は暑
さのせいか一点を見つめてボーとしている。その方向に向きを変え猫との間
合を測ると竿が届く。卑怯にも先ほどの仕返しを考えている。一呼吸おいて
竿のしなりを2~3度試してからおもむろに軽くピシッと一撃を加えた。猫
君は一瞬何が起きたか考え、その場から逃げ去った。私は趣味の釣りを楽し
んでいるが、猫君にしてみれば生活がかかっている。一矢報いたとの満足感
もあったが多少の罪悪感も残る。考えてみれば実に大人気ない話である。そ
の後は北側の橋下で釣りをしている。ここにも野良猫君たちが生活している
。休憩時間に興味を持って見ていると顔の表情や仕草が実に面白い。カメラ
を向けて見ました。